読書感想文例「ガラスのうさぎ」を読んで(中学生)

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小学生、中学生、高校生向けの読書感想文の文例を紹介します。


参考記事:読書感想文がなぜ書けないのか最近になって分かった話―小論塾

ガラスのうさぎ」を読んで

中学生向け

 一九四五年三月に起きた東京大空襲において、家族を失った一人の少女が、二人の兄が帰ってくるまで懸命に息抜き、帰ってきてからも精一杯生きていこうとする実話です。小学生の時に母が借りてきてくれて、私が初めて本を読んで涙を流した作品でもあります。
 この本を読んだとき、昔のことをよく知らなかった自分は、この戦争の悲惨さや残酷さが最初は頭に入ってこなかった。しかし読み進めていくうちに、家族を失った少女が、兄が帰ってくるのを信じて一人でも懸命に生き抜こうとする姿が描かれているところで、もし自分がこのような状況になったら一体どうしていたのであろうか。この少女のように、一人ぼっちになってしまったときに果たしてここまで強い意志をもって生きていくことができるのだろうかと思い、改めて戦争の悲惨さ、残酷さが身にしみわたってきた。今の世の中は非常に平和である。戦争はもうしないと法律で定められているし、子供たちは学校へ行ってたくさん勉強ができ、遊びたいときに遊ぶことができる。しかしこの本の中の時代はそういった現代では当たり前となっていることが当たり前ではなかったのだとこの本を読んで思い知らされた。いったいこの本の主人公の少女はどういった思いを秘めながら毎日を生きていたのであろうか。たったひとりで、家族を失った悲しみとともに生きてく少女に心を打たれるばかりであった。

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