読書感想文例「モモ」を読んで(高校生)

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小学生、中学生、高校生向けの読書感想文の文例を紹介します。

モモ」を読んで

高校生

「モモ」を見つけたのは、本屋さんの片隅でした。分厚くて、真っ黄色な背表紙が目に飛び込んできたからです。金色ではなく、真っ黄色です。本は紙箱のケースに入っていて、表紙には線で細かい絵が描いてありました。色は塗っていませんでした。本をながめていると、図書館の辞書みたいな形をしていて、ちょっと大人の本のように感じてカッコイイとおもいました。そこで、お母さんに「この本がほしい!」というと、おどろいて少しだけうれしそうにしながら買ってくれました。それが「この本が大人の読むむずかしい本である」と言っているようでうれしかったです。中を見ると、さし絵が数枚しかない文字ばかりの本だったので、お母さんがうれしそうにしていた理由がわかりました。
作者ミヒャエル・エンデ、タイトル「モモ」は、一人の少女「モモ」がいろんな場所に旅をして、いろんなことを見たり、聞いたり、考えたりしながら成長していくお話です。
この本の中で一番心に残ったことは「時間泥棒」の話でした。「人間は、時間をお金で買えるが増やすことはできない。しかし、多くの人間たちがあまりにもたやすく他人から果ては自分から時間を盗っている。そのことに気づいていない者たちのなんと多いことか!どんな重罪よりも重く極刑にあたいする!だが、人間は気づいていない。気づいていないから罪悪感もわかない。そして、また安易に時間はうばわれていく!」というような話でした。私は本を読むまで「時間を盗る」という考えがなかったので、とても印象に残りました。
そして考えてみると、私もたくさんの時間を他人から「盗って」いました。例えば、お父さんが読書をしている時に話を聞いてほしくて邪魔をしてまで話をしたり、お母さんがご飯の用意をしているのに勉強を教えてもらったり、お店でお金を払う時に他に何を買おうかと悩んでいたり、他にもたくさんの時間をたくさんの人からうばっていました。同じように、私もたくさんの人からたくさんの時間を盗られていました。例えば、私が勉強をしているのにお母さんがしつこく話かけてきたり、病院でしんどいから病院に来ているのに受付に来ない受付の人だったり(おしゃべりしているのが見えているから、さらに嫌だと感じました。)おとなりの人が今から塾に行くと言っても話をやめてくれなかったり、列に並んでいるのに電話で話していて列が途中でとぎれていたり、他にもたくさんの時間がいろんな場所で「盗られて」いました。この「盗られたり盗ってしまった時間」があれば、たくさん本を読んだり、勉強したり、遊んだり、早い時間の電車に乗れたり、仕事が速く終わったり、たくさんのことができます。そんな風に考えてみると怖いことをしたのだとわかりました。
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