「塾講師」と聞いてみなさんどのようなイメージを持つでしょうか。楽な仕事? キツい仕事? 学生アルバイトから社員まで、小学生相手から大学受験生相手まで、様々な形で塾を渡り歩いて見えてきた塾講師の裏も表も紹介してしまいます! これから目指そうという方も、「へー」とただ読む方も…これがみなさんの身近にあるようでよく知られていない「塾講師」という仕事です。
得1.「学生アルバイトの中では最高の時給」
働くからにはまずは給料が第一でしょう。集団授業ともなれば特に跳ね上がり、時給1500円~2000円も珍しくありません。他のアルバイトの平均が900円ほどだとすると2倍も稼げてしまいます。
得2.「他の大人は出会えない年齢の子たちと接することができる」
大人になってしまうと、中高生などとは話をする機会さえなくなりますが、塾講師をしていれば嫌というほど接することができます。自分もそんなこと考えていたな、とか、今の子はそんなことまで知っているのか、など毎日が懐かしい感情と新しい発見でいっぱいなのが魅力です。
得3.「先生と慕ってくれる喜び」
当たり前ですが、外でどんな生活をしていようとも一歩塾に入れば「先生」になります。目上の人からものを教わることへの礼儀がきちんと備わっている生徒に慕われるのは、本当に貴重で得な体験です。大人の方がものを知っていて当たり前なのですが、その一つ一つに感心してもらえるのは嬉しい限りです。
得4.「説明上手になれる」
塾で教えるということは、ある意味では大人に向かって何かを説明するより難しいものです。理解力の乏しい生徒を相手にするときには特にこの力が必要になります。教える度に物事を噛み砕いて説明し、具体例を挙げ…と努力しているうちに、大人に対して説明する力も自然と付いているのです。これはどんなプレゼンテーションの練習よりも有効でしょう。
得5.「卒業生は増える一方」
当たり前のことですが、塾で長く教えるほど自分の教え子は去って行き、また新しい生徒と出会うことになります。つまり卒業生は増える一方なのです。その生徒たちがどんな道を歩んでいくのかを知るだけでも親のような気持ちになり感動があります。塾に遊びに来てくれる卒業生がいるならばなおさらです。
損1.「予習にいくら時間がかかろうとも給料は出ない」
時間外労働がやたらに多いのが塾講師の特徴です。アルバイトの場合ならば教えている時間分だけしか時給は発生しないので、良い授業をしようと準備すればするほど実給料は減るというジレンマを抱えることになるのです。
損2.「苦手な教科でも塾長は涼しい顔で担当させる」
例え求人紙に「1教科でもOK」などと書いてあっても、いざ講師になってしまえば当たり前のように苦手な教科でも担当させられます。講師の数が足りていないときには文系の学生が平気な顔で高校生の数学を担当することなどもしばしば。もちろん苦手なことなど生徒に言えるはずもなく内心ビクビクしながら必死に教えることになります。
損3.「モンスターな親ばかり」
いくら生徒がいい子でも、学年が低いとモンスターな親と接しなければならないことが多くなります。「2名クラス」の授業料で「うちの子は人見知りだから特別に1名にして」などと平気な顔でいう親との面談もこなさなければいけません。
損4.「社員は転職困難」
学生アルバイトの場合はいいのですが、社員として塾講師をしていたら他の職種に就くのはかなり困難です。「学生でもできる仕事でしょ?」・「勉強以外何かできるの?」と見なされ、結局はまた塾にしか行き着けないのです。
損5.「確実に夜型人間になる」
これは塾講師の宿命ですね。学校が終わってからの時間しか教えることができないので、授業が終わるのがすでに22時。そこから書類整理などを始めてあっという間に終電。家に帰ってビールを開ける頃には真夜中。当然寝るのは朝方…というリズムがどうしても出来上がってしまい、周りの人と生活時間がどんどんズレていき、接する機会が減ってしまいます。