2008年にスタートした公立小学校の英語授業は、2011年には必修となりました(5、6年生)。
2020年度には小学校3年生から外国語活動を始めて、5年生からは英語を算数、国語と同じ位置づけにするそうです。そうなると、当然それ以後の中学受験には今までの算・国・理・社に英語が加わるという事は自明の理ですね。ではこの小学校の英語必修化とは何なのかをまとめてみました。
小学校の英語教育の現状は?
平成23年度より、小学校において新学習指導要領が全面実施され、第5・第6学年で年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されました。外国語活動においては、音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標として様々な活動を行います。本サイトでは、全国の地域・小学校の取組等、外国語活動に関する情報提供を行います。
出典:文部科学省・小学校外国語活動サイト
この外国語活動というのは、「教科」ではなく「領域」というものです。なのでこの活動には教科書がなくテストもないので、通信簿のような数字の評価はついていません。
小学校の英語教育はどう変わるのか?
2018年から小学校で英語教育が導入され、2020年完全実施を目処として、小学校の英語教科義務化が進められています。従来は小学校5,6年生の英語教育は活動ベースで、教科書も無く、学校や先生により習熟度にバラツキがある状態でした。これからは、小学3年生に英語活動が必修化、小学5,6年生には英語教科が必修化されます。「英語教科」というのは教科書があり成績がつくような所謂授業という事ですので、小学校から英語の成績差がつくということです。
小学校5年生から英語が始まるという事は、他の教科の授業数が少なくなるか、若しくは総授業数が増えるかのどちらかです。授業数が増えるという事は、帰りの時間が遅くなるか、土曜日も学校に通う事になるか、です。本当にそんな事になるのでしょうか?
小学校の英語教育はどんな内容か?
英語教育の小学校高学年教科としての目標イメージは、文部科学省初等中等教育局教育課程課の教科調査官の話などから、中学校教育の前倒しではないということです。以下のように考えられています。
- 身近で簡単なことについて話される初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
- 身近で簡単なことについて、初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
- アルファベットや単語に慣れ親しみ、英語を読むことに対する興味を育てる。
- アルファベットを書くことに慣れ親しみ、英語で書くことに対する興味を育てる。
要は簡単な英語ならコミュニケーションがとれるようになり、また読んだり書いたりできるようになりたいと思わせる事でしょうか。
小学校の英語教育における課題は?
しかし、現実には教わる生徒よりも、教える先生の方に課題が多いという事実があります。ベネッセ教育総合研究所が2010年に行った「第2回小学校英語に関する基本調査」で学級担任が特に課題と思っていることBEST3は、
- 教材の開発や準備のための時間
- ALT(外国語指導助手)などの外部協力者との打ち合わせの時間
- 指導する教員の英語力
なんですが、実際は「指導する教員の英語力」が一番なんじゃないでしょうか。だからこそ「教材の開発や準備のための時間」や「ALT(外国語指導助手)などの外部協力者との打ち合わせの時間」が必要になるわけですから。
ということで、いろいろ課題はあるようですが、グローバル化に対応するために小・中・高等学校を通じた英語教育改というものを行うようですが、中学校受験には大きな変化がおき、今までの中学受験対策とは大きく違ったものになりそうです。