英語の勉強というと「暗記かぁ」と思う方も多いと思いますが、英語を暗記で乗り切ることはできません。乗り切れずに成績が伸びないまま終わるでしょう。ムダな暗記は単なる自己満足です。
逆に「どうやったら暗記しなくて済むか」を常に考えながら勉強するだけで、英語の力は飛躍的に伸びます。なぜなら「暗記しないことを常に考えるということ」=「論理的に学習しようとすること」だからです。論理的に学習するのは英語に限らず非常に大切なことなので、これをクセにすることで他教科の力も付きます。特に現代文ですぐに効果が出るでしょう。
では、具体的にどんなところで英語のムダな暗記をしがちなのかを3つに絞って紹介していきます。
辞書を引かない
長文で分からない単語に出会う度に辞書を引く方がいますが、これがまさに自己満足です。「勉強した感」を味わっているだけで英語の力は全く付きません。なぜなら単語は単語集で完全に覚えてから長文に挑むものだからです。長文の中でいちいち立ち止まっていては文章全体の意味が取りにくく、辞書を引いている時間もムダになります。長文にいきなり挑んで理解しようというのは武器を持たずにラスボスにぶつかっているのと同じです。単語・熟語・文法という武器を完璧に身に付けてからぶつかっていかないといつまで経ってもクリアできません。
熟語は構成している単語から考える
例えば「come by」に「~を手に入れる」という熟語を必死に覚える時間とやる気があるならば、なぜその意味になるのかを考えましょう。「come=来る」・「by=~のそばに」という元の意味さえ考えれば「~のそばに来る」⇒「~を手に入れる」という意味に広がったというだけのことだと分かるでしょう。何かが自分のそばに来るから「~を手に入れる」となるのです。これで熟語一つは暗記しなくて済んだことになります。
このように「考えれば分かるもの」は暗記しない・「考えても分からないもの」だけを暗記する、というように上手く区分するのがコツです。
選ぶのではなく排除する
簡単な例を挙げます。動詞の現在形に「s」を付けるときの主語は何でしょう。これをすぐに説明できますか?
正解は「I・you・複数以外」の主語です。つまり「三人称単数」のときなのですが、この理解の仕方ならば主語が「Iかyouか複数か」だけをチェックしていれば済むことになります。この「〇〇以外」という発想が暗記を減らして英語のレベルを上げる勉強法です。
例えば5文型を判断するには5つから1つを「選ぶ」のではなく、4つを「排除」するのです。
この発想をすることで暗記を減らすだけでなく問題を解く精度も速度も上がります。どのようなことでも「アラ」を見つける方が完璧なものを見つけるより精度と速度が高まるからです。
これは大きな視点でみれば、選択肢問題に応用できます。正解を選ぶのはなく不正解を排除しようとすることで正答率が上がります。