日本史の先生が授業を休むために準備した映画・DVD16選

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好評だった「世界史の先生が授業を休む時に流す映画・DVD 10選」に続いて、日本史編です。中学校の社会・歴史の時間や高校の世界史や日本史の時間に、先生が急きょ出張でいなくなり映画のDVDだけを置いていった経験は誰もがあるようです。じゃあ、先生はどんなDVDを持っているのか。
なかなか教師と生徒で趣味が合わなかったりすることも当然あります。大人にとってはおっさんホイホイのようなド・ストライクの映画も生徒にはピンとこないこともあります。なるべく最新のものと名作とをそれぞれ集めてみました。
歴史以外での教養としても役に立つと思います。


日本史の教師はそういうときにどんな映画・DVDを生徒に見せるために準備しているのか、中学校や高校の世界史の担当、教師が持っている映画・DVD16選をまとめました。

現代が舞台のものから、邪馬台国まで、舞台になっている時代の新しい順にまとめました。

戦国自衛隊 1979年 千葉真一

演習中だった自衛隊の一小隊が、戦車やヘリなどの兵器ともども、戦国時代にタイムスリップしてしまったというストーリー。半村良の小説が原作の、SFアクション超大作。長尾景虎(のちの上杉謙信)とともに天下をとろうとする、伊庭義明隊長率いる自衛隊員たちの姿がダイナミックに、時にセンチメンタルに描かれています。

大いなる完 2004年 的場浩司

日本史を題材にした作品とはいえないかもしれませんが、田中角栄元首相をモチーフにした本宮ひろ志原作のドラマ。時代に翻弄され、苦しみながらもたくましく生き抜いていく人々。昭和の雰囲気を感じるドラマです。

東京裁判 1983年 小林正樹(監督)

裁判から25年で公開されたアメリカ国防総省の長大なフィルムをもとに製作した記録映画。生々しい当時の映像で、戦争責任の所在、国家と個人の関係、あるいは勝者が敗者を裁くことの限界といった様々な問題が見えてきます。

終戦のエンペラー 2013年 マシュー・フォックス

マッカーサーが、第二次世界大戦に降伏した日本に降り立ち、知日家であるフェラーズ准将に「この戦争における天皇の役割と、戦争の真の意味での責任者を10日間で突き止めろ」と指令するというストーリー。ハリウッド映画ですが、昭和天皇役を片岡孝太郎が演じています。戦争と当時の政治体制を考えるためのよい題材となるでしょう。

日本のいちばん長い日 2016年 役所広司

1965年の映画をリメイクした作品です。一定の知識がある人には、1965年の作品の方が見せる意味があるかもしれません。2つの作品を比べるのもよいでしょう。日本が終戦に至る経緯、軍部の青年がどんなことを考えていたのか、考えるためのヒントがあります。

八甲田山 1977年 高倉健

日露戦争前夜の日本が舞台。徳島大尉 (高倉健) 率いる弘前第三十一連隊と神田大尉 (北大路欣也) 率いる青森第五連隊は、八甲田山を雪中行軍するなり、徳島隊は吹雪の中を彷徨し、遭難するというストーリー。実話が題材になっていますが、豪華なキャストに驚きます。組織論のヒントにもなりますが、少し上映時間が長いのがネックです。

新選組 1969年 三船敏郎

大河ドラマ新選組 ! にもなりましたが、日本人なら誰もが共感した新撰組のエピソード。局長である近藤勇と土方歳三、沖田総司を中心に、その栄光と苦悩に満ちた日々が描かれます。テンポよく、エンタテインメントとしても大いに楽しめる作品になっています。

千姫と秀頼 1962年 美空ひばり

江戸時代初期、豊臣と徳川のはざまで数奇な運命をたどった千姫を美空ひばりが演じています。若かりしころの高倉健も出演しています。もはや、キャスト自体が歴史ですね。

影武者独眼竜 2013年 MAKIDAI

渡辺謙主演の大河ドラマ 独眼竜政宗があまりにも有名ですが、MAKIDAI主演の作品。戦国の東北の地に生まれた、武将、伊達政宗。幼い頃、病で片眼を失いながらも「片眼でも見えるものは見える」と東北を平定し、天下統一を目指す豊臣秀吉との決戦に備えるというストーリー。

天と地と 1990年 榎木孝明

海音寺潮五郎の歴史小説が原作の映画。上杉謙信の生涯を、生まれる前から川中島の戦い直後まで描く。角川春樹が自らメガホンを握り、製作費50億円をかけて製作したスペクタクル時代劇超大作。

日蓮と蒙古大襲来 1958年 長谷川一夫

鎌倉時代、日蓮と北条時宗を中心に蒙古襲来(元寇)を描いた作品。古い時代ですがカラー映画です。壮大な映像が後の映像作品でも使用されるほどの名作です。

山椒大夫 1954年 田中絹代

平安時代末、人買いに騙され母と引き離されてしまった安寿と厨子王丸の兄妹が、山椒大夫の下で奴隷として働かされる物語。森鴎外の小説を重厚な演出で描いた感動作です。

源義経 1990年 東山紀之

平安時代末期の日本史の最大の悲劇のヒーロー源義経。TBS大型時代劇シリーズ「源義経」がDVDになっています。源平の合戦を壮大なスケールで描く。東山紀之、沢口靖子が出演。

新・平家物語 1955年 市川雷蔵

吉川英治のベストセラー小説を市川雷蔵主演で映画化した3部作の第1弾です。

火怨・北の英雄 アテルイ伝 2013年 大沢たかお

平安時代の日本が舞台。故郷、東北の地・民を守るために戦った、若き英雄のアテルイを描いた空前のスケールの冒険巨編。

卑弥呼 1998年 岩下志麻

どこにあったのかも確定していない邪馬台国ですが、一つの映画作品として考えるきっかけにするには面白いかもしれません。謎の邪馬台国の世界を、女王・卑弥呼を中心に描いた古代の物語。

以上です。
いかがでしたでしょうか、直接に歴史や日本史の成績につながるような知識でなくても、歴史が好きになるきっかけにするのが重要です。公民の科目、現代社会や政治経済などでも役に立ちます。

日本史の場合、映画の印象が強すぎて、歴史的事実や教科書よりも映画の方が事実として認識されているような場合もあります。「今度の沖田総司は本物そっくりだ」と言っている人もいるくらいです。
大人から見ても一度、見た記憶があって、子どもにも見せたい映画もあるのではないでしょうか。
映画なら、幼児、小学生、中学生、高校生と年齢に関係なく入ることができるでしょう。
家庭での教育に映画を活用するのもおススメです。