好きなことから子供の創造力を引き出す3つのステップ

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子供には様々な可能性があります。学者、料理人、美容師、看護士、スポーツ選手。しかしその可能性を「どうすれば目覚めさせることができるのか」は非常に難しいことだと思われてきました。ここではすべての能力開花の初めとなる創造力を引き出す方法を段階に分けて述べていきたいと想います。

子供が好きなことをしながら創造力を鍛えられていく方法を段階と具体例を挙げながら説明していきます。

ステップ1:とりあえず好きなことをさせてみる 015

子供は小さければ小さいほど自分がどのようなことができるのか、自分に向いている技術、知識が何なのかということは(当たり前ですが)自覚していません。そこで一般的によくあるのは、とりあえず知育教育や幼児向けの教材をさせてみる、ということでしょうか。もちろんこれは悪いことではありません。ただ、「これがすべてではない」という認識を保護者は持つようにしましょう。幼児~小学生くらいまでの間に才能が開花して大活躍することは本当に稀なことです。もちろん中にはそのくらいの時期から活躍する子供もいますがこれはほんの一部と考えてよいでしょう。だいたいは中学生~高校生くらいにある程度の特性がはっきりしてきます。つまりそれまでの間に、これがこの子に向いている、向いていないなどと決定する必要はないのです。まして勉強に関することがすべてでもありません。音楽、スポーツ、手芸なんでもいいので本人が興味を持ったらとりあえずさせてみましょう。本人が気に入らなければ無理強いする必要はありません。創造力を伸ばす際に無理矢理させて伸びることはありえないからです。気に入れば放っておいても勝手に上達してくれます。まずは色々なものに触れさせてみましょう。

ステップ2:周りの環境はものすごく重要!

では具体的な話をしていきます。子供がまず興味を持って自分が取り組んでいこうとするもの。これは「自分の周りにあるもの」です。子供がゲームばかりしているということがあります。実際に家庭環境や周囲の環境を聞いていったところ、かなり高い確率で保護者や兄弟がゲーム好きという結果がでました。一番近くにいる存在である親兄弟がゲームをしていたため興味を持った。やってみたら楽しいのではまっていった。それだけのことです。これは例えば親が釣り好きだったので子供も釣り好きになった。親が野球ファンだったので子供も野球ファンになった、など心当たりがある保護者の方も多いと思います。

ステップ3:保護者は否定しないこと。むしろ誉めてあげましょう。

子供が自分に興味を持ったことに取り組もうとしている時にそれを妨害してしまうのも残念ながら保護者が割合として一番多くなっています。保護者はどうしても自分たちの理想を子供に願ってしまいがちです。勉強して良い成績を取って良い学校に進学して安定した職に就いてほしい。できれば美容や職人といった専門職でないように。とはっきりと口にされた保護者の方がいました。ある意味、直球の本音だと思います。しかし今までに色々な子供を見てきた私としては「気持ちはわかるがすすめられない」意見です。もちろんできるだけ安定した将来を願うのは親としては当然かもしれません。

たとえば、小学校を卒業するまで勉強は苦手、運動も苦手、特に興味があることがないという生徒がいました。中学校に入ったときに友人に誘われて入った吹奏楽部で急激に才能が開花し、のちには推薦で進学し、楽団に入って高い評価を得るようになった子がいます。

同じく勉強は苦手でしたが手先が器用で高校卒業後、大工の道へ進み、宮大工として同年代の一般的な会社員よりもはるかに高い収入を得るようになった子もいます。

この二人の生徒の保護者に共通しているのは「勉強だけを強制せず、子供がやりたいと思ったことをやらせ、結果をだしたときにとにかく誉めた」ことです。

こういった道へ進もうとしている生徒に「勉強して良い学校に入るのが何より大事だから」と強制していたら、この子たちはどうなっていたでしょうか?仮定の話なのでそれはわかりません。しかし本人たちが現在自分の仕事に誇りを持って成果を残していることを考えれば、私はこの形も一つの成功の形であると思います。

何度も言いますが、決して勉強をさせなくてもよいというわけではありません。様々な道の根本になるのは基礎教育であることは間違いないとは思います。自分のやりたいことしかやらずに、それを勉強しない言い訳に使うようなら、それは違うと思います。ただ、自分の中のあらたな可能性を創造していくときには、やはり子供自信が好きなこと、やりたいことをさせたほうが結果としては良くなることが圧倒的に多いのです。自分がやりたくないことを考えていても新しいものを創造していくことはできないのです。