もうすぐ新学期、高校1年生や高校2年生になって地理を選択した人や、センター試験を受けることになったけど、どんな参考書や問題集を使えばいいのか迷っている人もいることでしょう。
そこで、ベテランの予備校講師がお勧めする地理の学習のために最低限そろえたい参考書や問題集を紹介します。
まずはじめに高校で地理を選択しなかったけど、センター試験では受けたいという人はかならず教科書を入手しておきましょう。嫌味のように教科書だけで十分という優等生もいますが、実は地理の場合は特にセンター試験などの大学入試で出題される範囲を把握するために重要です。地名やデータをどこまで覚えればいいのか迷ったときに参考になるはずです。教科書の内容を超えるような出題はされません。教科書販売店で購入してもよいでしょう。
センター試験では地理A・地理Bと2つの科目がありますが、学習法はそこまで大きく変わりません。教科書をきちんと用意しておいて、取り扱う範囲を確認する程度でよいでしょう。地理Aの方が、気候や大地形のメカニズムなどの部分が出されないので簡単に感じますが、時差などは頻繁に出されるのでかえって苦戦する生徒も多いようです。
センター試験なら1~4まで、2次試験なら8まで参考にしてみてください。
1、地図帳
地図帳は帝国書院のものがやはりシェアが高く、内容も洗練されているので、帝国書院のものがオススメです。
2、データ集・各国要覧
データ集は二宮書店のものがよいです。「データブック オブ・ザ・ワールド」は各国要覧の形になっているので、一つ一つの国について確認するときに便利です。読み物としても楽しめる1冊です。もしデータ集が好きな人は、世界国勢図会〈2015/16〉、日本国勢図会〈2015/16〉などもそろえておくとよいでしょう。
3、詳説地理ノート
自習ベースで進めるならば、この詳説地理ノートがオススメです。
4、センター試験への道シリーズ
センター試験を受ける予定で、地理を学習するなら地理A・Bともこの問題集が最適です。センター試験の過去問が分野ごとに再編成されているので、「詳説地理ノート」を書きながら問題に取り組むことができます。
予備校などで出している予想問題集はかなりクセがあって、実際のセンター試験の問題と雰囲気が違う場合があって戸惑うことも多いようです。やはり過去問が最良の問題演習になります。
5、地理の研究
ここまでの教材をそろえれば、センター試験の対策としては十分ですが、さらに東京大学の二次試験など国立大学の記述式や論述式の試験を受ける場合には、もう少し対策が必要です。
この地理の研究は教科書の執筆にあたっている研究者の方々が出しているので、実際の入試問題作成の上でもかなり参考にされています。東大の2次で地理を選択するなら必須の一冊です。
6、大学別の過去問集
2次試験の対策では、必ず大学別に過去問を一度は解いておきましょう。センター試験と同じですが、クセのある予備校の問題よりも本物の問題を優先しましょう。
7、論述対策問題集
もしも大学別の過去問集が解き終わってさらに問題演習をするなら、予備校の問題集に着手すればよいでしょう。
8、Z会の通信添削
東京大学や京都大学などの難関大学に合格するには、論述でも高得点を目指さなければなりません。これは通常の高校の授業では対応が難しいところですが、予備校に通うのも相当な出費が必要です。実際、東大に受かったほとんどの学生がZ会の通信講座を利用していたという実績もあるようですが、地理の場合は予備校に行っていても実際の解答を記入した答案を誰かに添削してもらうということはかかせません。Z会には「2016年度 大学受験生向けコース 東大志望」というものもあります。単科目だけでも申し込んでみるのもよいでしょう。資料請求するならば、新年度が始まる前に行ないましょう。
9、世界の諸地域NOW
カラーで地図や写真が中心になっていて、親しみやすい構成になっている資料集です。地理が苦手だけど、なんとか地理Aならという人にはこの資料集が入り口としてはオススメです。
10、赤本
「センター試験への道シリーズ」を使っていれば、最近の過去問は大学入試センターから無料でダウンロードすることもできるので、赤本は不要かもしれませんが、各解説が詳しくのっているので必要になる場面があるかもしれません。地理A・地理Bともに収録されています。
以上、地理は好きな人はとても好きになって得点源になる教科です。他の科目に活きる部分も多いので、しっかり勉強しましょう。