美しいフォントが世にあふれています。商標・ロゴなどにそれぞれ有名な企業が使用していることでそのフォントの格をさらに上げている感もあります。相補的に企業とフォントお互いのイメージを固めているわけです。
ここでは中でも特に有名な企業に使用されているようなフォントをご紹介いたします。(アルファベット順)
1.Copper plate gothic/カッパープレートゴシック
フレデリック・W・ゴーディが作成したフォントです。豪華でクラシックな印象を与え、レストランなどの店名看板・ロゴなどにもよく使われているようです。
使用している有名企業としては「Dean&Deluca」「Moleskin」「田中貴金属」などが挙げられます。いずれも高級路線ですね。
2.Didot/ディド
フェルミン・ディドによって製作されたフォントです。柔らかい曲線とスマートなライン、程よいボリュームが高級感と女性向けの印象を与えます。実際使用している企業も「GIORGIO ARMANI」や雑誌「VOGUE」「BAZAAR」など華やかで高級感あふれるものばかりです。
3.Frutiger/フルティガー
アドリアン・フルティガーによって作成されたフォントです。シャルル・ド・ゴール空港の案内標識のために作られた視認性の高いフォントで、「JR東日本」の駅に使用されている着発線番号表示や、「Flickr」のロゴなどに使用されていて、街のあちこちで見かけるフォントとなっています。
4.Futura/フーツラ
パウル・レナーが作成したフォントです。このフォントは幾何学的なシャープさと曲線の美しさが特徴で、「LouisVuitton」のモノグラムロゴ、「MARIAGE FRERES」「hulu」「FedEx」「Calvin Klein」などに使用されています。
5.Gill Sans/ギル・サン
エリック・ギルの作成したフォントです。このフォントは「AMD」「MARGARET HOWELL」「ROLLS ROYCE」「Philips」などに使用されています。伝統的な古代ローマの碑文体などをモデルにしつつ、視認性の高さを追求したフォントです。
6.Helvetica/ヘルベチカ
マックス・ミーディンガーとエドゥアルト・ホフマンの作成したフォントです。「ヘルベチカ」とはラテン語で「スイスの」を意味する言葉に由来します。この書体をテーマにした映画も作成され(『ヘルベチカ ~世界を魅了する書体~』)世界中で愛用されているフォントです。ロゴなどとしては「Panasonic」「Fendi」「Tissot」「TOYOTA」などが挙げられ、安定したイメージの機械メーカーなどに取り入れられているようです。
7.ITC Avant Garde Gothic/ITCアヴァンギャルドゴシック
ハーブ・ルバーリンによるフォントです。デザイン性が高く、Futuraからインスパイヤされたといわれます。雑誌「Avant Garde」のロゴのためにデザインされた書体です。有名どころとしては「AKB48」「adidas」コスメブランド「ADDICTION」などに使われています。
8.Myriad/ミリアド
Frutigerを模倣したフォントの1つで、Adobeシステムズによるものです。可愛らしさと現代的なシャープさがあるフォントで、「Apple」の製品ロゴ(iPhoneなど)などに多く用いられています。
9.Novarese/ノバレーゼ
アルド・ノバレーゼの製作によるフォントです。「Swarovski」などに使われている女性的で繊細なフォルムを持つフォントです。
10.Optima/オプティマ
ヘルマン・ツァップによって製作されたフォントです。イタリアの碑文にインスパイヤされて製作されたとのこと。シンプルかつエレガントな印象を与えるこのフォントは「Aston Martin」「Gucci(※アレンジがなされています)」などに使用されています。
終わりに
様々なフォントが使われている現代社会ですが、ある程度イメージが固まっているために偏りもあるのが実情です。これらのフォントもしくは類似フォントを上手に使って、表現の幅を広げていけたら素晴らしいと思います。