小学校3~4年生は、精神的にも身体的にもさまざまな変化をする時期です。「10歳の壁」ということばを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。10歳までの教育が子どもの将来を決める、とか、この時期までに勉強や運動をしておかないと手遅れになる、という意見もありますが、本当なのでしょうか?10歳の壁に迫ってみました。
勉強面
小学校4~5年生くらいになると、学習内容が急に難しくなり、ついていけなくなる子どもも多いようです。克服のポイントとしては、苦手意識をなくし、「難しいから」「嫌だ」「できない」というマイナスな発言を口にしないようにしてみましょう。親も「うちの子は漢字が弱くて」とか「算数が苦手なのは遺伝かも」など言わないように気を付けてください。
運動面
身体的な変化とともに、運動能力にも差がつき始めます。運動ができると子どもの自信につながります。自分に自信が持てる子どもは、コンプレックスが少ない分勉強面でも対人関係でもさらに頑張れます。すべてのスポーツが万能である必要はありません。得意競技でカバーしましょう。短距離は苦手でもマラソンならじっくり頑張れる、球技は苦手だけど体操は得意、陸上はダメだけど水泳は好き、など子どものタイプによって自信を持てる競技を見つけてみてください。親子で一緒に練習をしたり、上手にできたときはきちんと褒めてあげるなどのフォローもポイントですね。
壁ではなく、飛躍の年
「壁」ということばからも、ネガティブな意味で使われることが多い「10歳の壁」ですが、乗り越えることで大きく成長できるのも事実です。ネガティブに考えるのはやめて、つまずきを乗り越えて大きく飛躍するチャンスととらえましょう。成長の可能性を狭めないように、温かくサポートしてあげてください。
内面的な変化
9歳~10歳は、「ギャングエイジ」とも呼ばれ、親の干渉を離れて徒党を組んで何かをしたがる年齢です。手に負えなくなるところもありますが、その反面、友達との間に仲間意識が芽生え、集団で行動する意義を学んでいく時期でもあります。また、集団行動の中で友達と自分を比べて、劣等感を感じやすくなります。劣等感をもつということは、他人と自分を客観的に比較できるようになるということであり、大きな成長の証です。いつまでも「自分はなんでもできる」と思い込んだままでは、人間として成長が妨げられてしまいます。社会にスムーズに適応していくためにも必要な変化として受け止め、子ども深く悩みすぎるようであれば、解決のフォローをしてあげましょう。
周囲のサポート
10歳になると、自分を客観的に見ることができるようになり、うわべだけのことばを見抜けるようにもなります。子どもの気持ちに寄り添って本音の付き合いをしていくことが重要です。また、親以外にも、子どもの気持ちを考えたり、成長を見つめてくれる大人の存在が大きなポイントとなります。塾の先生、習い事コーチなど、子どもと関係を密に保ち、子どもが悩みごとを相談できるような存在を外に作っておくと安心です。
まとめ
親も子どもも戸惑うことが多い「10歳の壁」ですが、成長のチャンスととらえて乗り越えていきましょう。失敗を責めず、子どもを理解した上で支えてあげてください。