読書感想文例「こころ」を読んで(中学生)

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小学生、中学生、高校生向けの読書感想文の文例を紹介します。


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【中学生のためのZ会の通信教育】

こころ」を読んで

中学生

 この本を選んだのは、国語の教科書に抜粋が載っており最初から最後まで読んでみたいと思ったからです。
書生である主人公の”私”は当時比較的よく見られた高等遊民(高等教育を受けたものの、若いうちから半隠居生活を送っていた人たち)の”先生”と出会い、交流を深めるうちに”先生”と”K”という人物の秘められた過去を知ることとなります。
この作品は漱石文学の中でも優れた作品として名高いですが、その理由は細かな心情表現の美しさに加え、恋愛という青年時代の甘く切ない体験の中に人生哲学のようなものをたくみに組み込んでいる点だと感じました。回想の中での先生は下宿先で知り合った”お嬢さん”に恋心を抱きます。親切心から友人の”K”をその下宿に紹介するのですが、”K”もお嬢さんに恋心を抱いてしまったことから悲劇が始まります。親切心からある人を他の人に紹介したのに、それがかえって自分の利益を損なうことになってしまう……私たちの日々の生活でもそういったことは起こり得るでしょう。先生はお嬢さんへの恋心と”K”への友情との間で激しく揺れ動きますが、それは”K”にとっても同じことでした。そういった微妙な気分の時、人間は他人のささいな言動にも過剰に反応してしまうものですが、その辺りの表現方法が実にたくみです。”私”が”k”とお嬢さんが親密そうに談笑しているところを偶然見てしまい、疑心暗鬼に駆られて仕方なくなってしまうシーンがあるのですが、そこの心情表現がとてもリアリティにあふれ、読んでいる自分がまるで”私”になったかのような錯覚を覚えるほどでした。この物語の実質的な主人公といえる過去の”先生”は友人に気遣いのできる人間ですが、同時に神経質で不安も強く、百年前の作品の登場人物であるにも関わらずとても親近感を覚えます。それは百年経っても人間の不安や疑心暗鬼というのはそう簡単に乗り越えらるものではないということの証明であり、同時にそういった部分が人間の本質的な部分であるということを漱石は描きたかったのではないかと感じました。

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