読書感想文例「デューク」を読んで(中学生)

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小学生、中学生、高校生向けの読書感想文の文例を紹介します。

デューク」を読んで

中学生

一番最初に思ったことは、デュークって何だろうということでした。題名もデューク、物語の書き出しもデューク。でも読んでいくうちにデュークというのは主人公の大切な犬だということが分かりました。デュークが死んでしまった悲しみでいっぱいだった主人公の気持ちは本当によく分かりました。私の経験上、大切で家族も同然のペットが死んでしまうというのは本当に苦しい事です。この主人公と同じように、いなくなってしまった悲しみというものは涙となって、あふれ出てきます。
ここからの物語の展開は私の一番好きな場面です。電車の中で号泣していた主人公と、ある一人の少年との出会いの場面はとても優しい気持ちになれました。
それから主人公と少年は、一緒に喫茶店に入ったり、プールに行ったり、落語を聞きに行ったりと楽しい時間を共に過ごします。ここで私が思ったことは、デュークが死んで悲しくて悲しくてたまらなかったはずなのに、初めて会ったばかりの見ず知らずの名前もわからない男の子と、こんな風に楽しく遊んでてすごいなということでした。また、この少年とデュークは似ている部分がたくさんあって、もしかしたらこの少年はデュークなのではという一つの予想が生まれていました。デュークの卵料理好きと、喫茶店で少年が頼んだオムレツ。デュークの初夏が似合うところと、美術館で少年が好きだと言った古代インドの初夏を想像させる細密画。デュークの落語好きと、少年の落語好き。このような、少年とデュークに通じるたくさんの共通部分から少年はデュークによく似ている。だからこそ、主人公はデュークが側にいてくれているような安心感があって、悲しい気持ちの時さえも一緒にいられたのではないかと思いました。
そして、主人公は少年と過ごしているうちにふとデュークのことを思い出して、悲しみが戻ってきてしまいます。夕暮れの大通りの道を少年と二人で歩いていた主人公は、少年に今までずっと楽しかったと告げられて、デュークによく似たキスをされます。その後、茫然とした主人公を残して少年は走って行ってしまうというところでこの物語は終わりになりますが、結局話の中で少年はデュークだったということを明確に表している文章は一つもありません。読者に想像をさせたまま終わってしまいます。なので、この少年をデュークだと思うかどうかは読者の自由になるということです。でも私は、どうせならこの少年をデュークだと思いたいです。デュークの立場からしてみると、自分がいなくなったことで涙が止まらないご主人様に、楽しかったよ、ありがとうと伝えたい気持ちが分かります。
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