小学生、中学生、高校生向けの読書感想文の文例を紹介します。
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「母性」を読んで
中学生
私がこの本を手に取ったのは、友人にすすめられたからです。最初に思ったことは、母性って何だろう、ということです。私はまだ母ではないので、どんなものかわかりませんでした。それもこの本を読み進めていくうちにわかるのだろうか?と興味がわきました。
この物語は、とある母娘の物語です。娘の母は、母の母、つまり娘にとっての祖母を尊敬していました。でも火事がおきて祖母は亡くなってしまいます。方位磁石のようだった祖母を亡くした母は変わってしまいました。実は、祖母がなくなる原因の一つに娘が関わっていました。火事がおきたとき、娘を助けるか祖母を助けるかで母は迷う状況におかれてしまいます。祖母は、そんな迷いを振り切って欲しくて、自分から舌をかみきったのでした。娘はまだ幼く、事実を知ったのはだいぶ大きくなってからです。母の苦しみ、自分の存在について、そして、今、娘自身も母になろうとしていました。親子三代にわたるそれぞれの母性についての物語です。
この本を読んだ後、とてもふしぎな感じがしました。この本に出てくる祖母、母、娘の三人の母性はそれぞれ違っていたからです。特に母の母性はわかりにくくて、娘にとっては切ない関わり方になってしまいました。私は、母性は子供がいる人ならみんな持っていて、子供を思う気持ちのことだけだと思っていました。でもこの本を読んで、母にも母の気持ちがたくさんあることに気づきました。自分のお母さんにも、この本の母のようにたくさんの感情があるんだと思うと、さびしい気持ちもしました。それは当たり前のことなのに、この本を読むまで考えたことがありませんでした。だからこそ、私だけじゃなく、家族のことをいつも大切にしてくれるお母さんに、あらためてありがとうと言いたいと思いました。
この本に出てくる娘は私の立場です。だから娘の気持ちはよく分かりました。祖母が亡くなるきっかけに自分が関わっていることを知ったとき、ショックをうけただろうし、母があまり自分に関心を持っていないように見えた理由もわかってしまいました。私はお母さんに関心を持ってもらえなかったらとても悲しいと思います。そんな気持ちを抱えたままで大きくなっていった娘はとても辛かったと思います。でも、最後に母が自分にくれたプレゼントを知って、少し救われたのではないかと思いました。見えにくいだけで、子供を思わない母はいないんだと思いました。きっと、この娘も祖母、母と続いて自分なりの母性で子供と向き合っていくんだろうなと思いました。最後に、父は頼りないな、と思ってしまいました。逃げてばかりで問題に向き合おうとしない姿は私の父にも似ています。男の人は母性ではなく父性になるんだと思いますが、まったく別の性質なんだろうなとこの本を読んで思いました。逆に、この本には女の人ばかりが登場するので、父にとってもわかりにくく居心地が悪かったのかもしれません。でも、私としてはそんな時こそ、さびしい気持ちをお互いに抱える母娘の支えになってほしかったと思ってしまいました。そうしたら、もっと早くにわかりあえたかもしれません。結局、みんなが精いっぱいがんばった結果ではありますが、違う結末もあったんじゃないかと思いました。
私は、この本を読んでもっとお母さんに優しくしたいなと思いました。ちゃんとありがとうと口に出して言うようにしたいと思いました。それは、ちゃんと言葉にすることの大切さがわかったからです。当たり前だから、と口に出さずにいたら気持ちは伝わらないかもしれません。この本に登場する母娘を見て、お互い本当は思い合っていたのに、ずっとすれ違っていて、悲しいなと思ったからです。本当に大切なことは、相手に思いが伝わることです。そうすれば、さびしい思いも悲しい思いも減らすことができると思います。私もいつかお母さんになる日が来たら、子供に言葉でたくさん伝えたいと思いました。(1,591文字)