今年のバレンタインデー、2月14日は日曜日ですね。バレンタインデーが休日にあたってしまうと、世間はどちらかというと職場や学校でこうした行事を避けられてホッとしている人もいるのではないでしょうか。
普段から、お菓子や食べ物のやりとりの多い職員室で生活している教師にとっては、そこまで特別な日という感覚はないのですが、厳格な校則があって生徒も教師もあまりお菓子を学校に持ってきてはいけない校風の学校では少し状況が違うようです。
中学校でも、高校でも、毎年、真剣に若手の男性の先生にあこがれている女子生徒は先生にチョコレートを渡したいがどうしたらいいかと相談を寄せて来ることもあります。「無駄だよ。」ってアドバイスして聞き入れてくれればいいのですが、それで済むことはあまりありません。
中学生や高校生の生徒でも逆にどうやって渡そうかと考えていたり、チョコレート菓子を手作りしたり、ばれない渡し方を考えていたりします。
教員の立場から、どう対応するかを考えてみましょう。
男性の先生が女子の教え子から好かれて、悪く思うことはないのですが、99%の場合は真剣に想われているとまいったなあというのが正直なところでしょう。
女子の生徒にとってはあこがれること自体はそんなにリスクはないのですが、教員の側からすると少しでも生徒に対して恋愛感情を持っていたり性的な興味を持っていると思われるだけで不利益が発生します。まず、生徒と深い関係になっていると考えられること自体に問題があるのと、多数の生徒の中で不公平な取扱いをしていることにも問題があります。問題が行きすぎると、極端な場合は教員が処分を受けたり、さらには免職、つまりクビになる場合もあります。とにかく何もないように過ごすことで精一杯なのです。
男性の教師からすれば、女子中学生や女子高生は爆弾か地雷のようにも見えているのです。
でも、残りの1%の場合は・・・。それもないわけではないですが、卒業まで待ちましょう。
では、教師の立場からチョコレートをもらった場合の対処法を考えます。
1、受け取りを拒否する。
「学校に不要物を持ってきてはいけません」「学校にお菓子を持ってきはいけません」というルールのある学校は多く、こうしたルールに違反していることを理由に受け取らないのが、第一の対応でしょう。
自分が贈り物をされる場合に限って認めるようでは、ルールがなし崩し的になります。うわさが広がると、ルールに甘いと取られる可能性もあります。
また直接、生徒と教員との間で、金品のやり取りを禁止している学校も多いです。
問題が発生し取り返しがつかない事態になる前に、毅然とした態度で指導しましょう。
特に高価な場合、おすそ分けならまだしも、そのために生徒が購入している場合も、返却した方がよいでしょう。
2、あとで返却する
生徒が高価なチョコレートを買ってきたからと言って受け取りを拒否しても、お金が戻るわけではないでしょう。
それでも、結局、受け取れないものは受け取れないですし、そんなに食べたいものではないでしょう。
そんなときには、「チョコレートをプレゼントしてくれてありがとう。残念ながら、教員は生徒から贈り物を受け取るわけにはいきません。○○さんの気持ちだけありがたくいただいて、チョコレートだけお返しします。あなたのもっと大切な人といっしょに食べてください。これからもがんばってくださいね。」と手紙を添えておけば、単に受け取った以上に満足してくれる場合もあります。
家が近く、訪問しやすい状況であれば、親、保護者にお礼を言って返却するのもよいでしょう。
3、受け取って丁寧にお礼
もしも生徒が渡すチョコレートが高価なものでなければ、受け取ってもかまわないという判断をする場合もあるでしょう。
その時は、もしみんなの前で渡されたら、丁寧に受け取りお礼をその場で言いましょう。
これは、大容量のキットカットのようなチョコレートの1個を渡されたような場合など、安価なものほど丁寧に対応しましょう。
礼節の大切さを生徒も学び、信頼関係は深まると思います。
高価なものを大勢の前で渡されたら、やはり断った方がよいです。
4、簡単なお返しを添えて
校風などでフレンドリーな関係が築けている場合や普段から贈り物のやり取りが多い場合は、受け取るのが自然でしょう。
その時も、ホワイトデーにお返ししようとせず、翌日などすぐにお返しをしましょう。
バレンタインデーのイベントに乗っかっている感じを出さない方がよいです。
1ヶ月の間に様々なことが起こってお返しできない場合があります。
5、こちらからチョコレートを配る
様々な場合が考えられるのですが、こちらから生徒全員にチョコレートを配っておけば、チョコレートを渡そうとしている生徒も自然にふるまえるかもしれません。
男女関係なく贈り物をしたり、感謝したりする雰囲気を作っておく方がよいでしょう。
ノリが悪いと思われずに済むかもしれません。
以上です。いろいろなエピソードが耳に入ってきますが、もしも教師の側が生徒に真剣に興味があったとしても、まずは原則的な対応、厳格な対応を取る方がよいでしょう。そこでルールを崩してしまうと、生徒からの信頼も失ってしまう可能性があるからです。
前回、好評だったバレンタインデーを前に学校で先生が教えるべき5つのことも参考にしてみてください。