2021年からの大学入試改革で保護者が今すぐ取り組みたい9つのこと

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2021年から大学入試が大きく変わります。文部科学省で検討されている「高大接続システム改革」と呼ばれるものの一環です。
入試改革の中心となるのが、「思考力」「判断力」「表現力」の重視です。現在中学1年生の子どもたちが、5年後に迎える新しい大学入試はどのようなものなのでしょうか。
新しい学力について、どう考え保護者としてどう考えるのか検討します。

2014年の中央教育審議会の答申に基づき、2021年以降はセンター試験に代わって「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」がスタートします。
こうした入試改革が行われる背景には、産業構造の変化があります。
ものすごいスピードで起こっていく時代、予測不可能で誰もが避けられない激しい変化が来ています。
国際化、グローバリゼーション、ICTの進展によって、これまでの常識が一変します。
こうした変化に対処していくために、新しい価値を生み出す人材を育てていく必要があるのです。


今回の改革は、そうした社会の要請が大きく影響しています。この改革では、大学入試で「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」が導入されるだけでなく、高校段階でも「高等学校基礎学力テスト(仮称)」が導入されます。
実社会で活躍する人材を育てるために、高校教育、大学入試、大学教育という3つのプロセスの一体的な改革が進もうとしているのです。

大学側から見れば、卒業までに実社会で活躍できる人材に育てていくためには、大学入学以前、つまり高校においてそうした学力や素養を育成しておいてほしい、という要望がある一方で、高校側から見れば、大学側が課す入学試験が教科学習中心で、実社会につながるような学習活動は直接的に評価されないのであれば、教育のあり方を大きく変えていくのは現場判断として難しい、という意見があります。
そこで今回、文部科学省が企図したのは、入試制度をただ変えるのではなく、高等学校での教育を含めて『全部を変える』ということなのです。

具体的には、どのような改革が進めらるのでしょうか。
今までのセンター試験は、問題に対して選択肢の中から正解を一つ選ぶという形式でした。新しく導入される「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」では、思考力、判断力、表現力を養うために、問題を発見し、解決する力を見るというところに狙いがあります。何を知っているかではなく、知っていることを使って未知の問題にどのような答えをさせてるのかが問われれます。それを自分の言葉で伝える力を求めています。つまり、正解を選択肢で選ぶのではなく、正解のない問題を記述する力が必要です。知識を組み合わせていく応用力に加え、答えを導くまでの考えの道筋をきちんと説明できるかどうかが問われるでしょう。

総合型の問題というのは、すでにたたき台が公開されています。OECDが実施しているPISAテストや文部科学省が実施している全国学力調査の問題に近いと考えられています。また、PCで試験を行うことも検討されています。

では、保護者が考えるべき対策とは何でしょうか。
9つのポイントにまとめました。

1、総合的な問題に対応させるための通信講座を利用する

これまでの入試に対応した学習塾や予備校ではなく、総合的な問題に対応する通信講座や学習塾もあります。ほとんどの東大・京大・医学部・早稲田・慶應の合格者が1回は利用していると言われているZ会の通信講座も、2016年3月からこの大学入試改革に合わせた「総合」講座を開講しています。「変化が激しい時代においては、学習した知識を「そのままの形でずっと使える」ということが少なくなっていきます。このような時代では、情報を集め、それを活用するために知恵を絞り、他の人と協力し合うという行為が重要になってきます。」とZ会は「総合」で新しい学習の先取りする講座を始めています。


Z会 小学生向け講座

2、総合的な問題の模擬試験を受けてみる

総合型の問題について、模擬試験を実施している学習塾もあり、この「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」の予想される問題例をもとに問題を作成しています。

3.ノートパソコンを購入してPCに慣れさせる

「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」では、PCで試験が行われることも検討しています。デジタルデバイドの問題も指摘されていますが、日本は他の先進国と比べて中学生のノートPCやデスクトップPCの所有率が極端に低いことが問題になっています。ゲーム機やスマホのゲームにお金を使うよりは、ノートPCを買いましょう。今の大学生や新社会人の世代はワードやエクセルで文書を作ったり、パワーポイントでプレゼンテーションをすることが得意なのですが、それよりも下のスマホ世代はパソコンに触れることがなかったため、メールやインターネットのしくみ、プログラムやファイル管理などのしくみが全く理解できていないという問題も深刻になっています。
おススメのモデル:XPS 13


4.プログラミング講座を利用する

各大学のアドミッション・ポリシーの改定も進み、理系ではプログラミング能力も重視されています。これから導入される東京大学の推薦入試でもプログラミングを重視することが話題になりました。問題を発見し、プロセスを組み立て解決する大切な力が育まれます。ストリートアカデミー
など親子のプログラミング教室の利用も増えています。ロボット工作(モーターやギア、タイヤなどを組み立ててロボットを作る)、電子工作(Raspberry Piでロボットを制御するための制御ボード、モータードライバー等を作る)、プログラミング(Raspberry Piの使い方、モーターの制御方法などを学ぶ)などは子どもたちも熱中して取り組んでくれるので数学や理科のよい学習にもなります。



ストリートアカデミー
・小学生のためのプログラミング+電子工作

5.私立中高一貫校を選ぶ

入試改革に対して公立学校は直前まで現行の学習指導要領に沿って教育が行われるため、機動的な対応が取りにくいものです。一方、私立中高一貫校は明確なアドミッション・ポリシーを打ち出してくると考えられます。志望大学と近いアドミッション・ポリシーの中高一貫校を選ぶという志望校選択が一般的になるのかも知れません。大学入試なんてまだ先ではなくて、今年の中学受験生からその対象者であるという認識を持ち、これに関する情報を収集する必要があります。

6.アクティブ・ラーニングを重視する中学・高等学校を選ぶ

「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」の実施が盛り込まれた2014年の中央教育審議会の答申では同時に、アクティブ・ラーニングの充実も改革の一つに含めています。こうした中学・高校を選ぶのも一つのポイントです。

参考記事:2020年大学入試改革!アクティブ・ラーニングを理解するための10冊

7.インターナショナルスクールを選ぶ

より長期的な視野、グローバルな視点に立つならば、日本の大学の入試制度に振り回されるのではなく、国際的に必要とされる教育に目を向けるのも一つの選択肢です。「国際バカロレア」など海外の機関の認証を受けた教育カリキュラムをもインターナショナルスクールに子どもを通わせる保護者も増えています。日本の大学入試改革も、海外の中等教育、高等教育の入試や評価制度が参考になっているので、先取りと言えるかもしれません。

参考記事:英語教育で注目の!インターナショナルスクール10選!in 関東

8.小論文の書き方を学ぶ

総合型の問題に近いものが小論文の書き方です。小論文の書き方は、現行の入試でもノウハウが蓄積しているので、学んでおきましょう。

9.『頭の体操』を読む

総合的な問題などといっても、ユニークな問題、パズル的な問題を作ろうとするとき、多くの大学入試問題出題者や予備校の関係者が参照しているのは、『頭の体操』です。ほとんどの問題のヒントはここから出ています。『正直村とうそつき村』もここが元になっています。

以上、いかがでしょうか。2021年からの大学入試改革、2020年から受験をする世代の課題はたくさんあります。小学校での英語必修化、道徳の教科化なども様々な変化をもたらすでしょう。
参考にしてわが子に合った対策を考えてみましょう。



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