現在、小学校・中学校の教員免許を取得するときには特別支援学校での介護体験が必須になっています。介護体験を受けて特別支援学校に興味を持ち、将来特別支援教諭を目指す人はそれなりにいます。それに、教員採用試験の倍率の低さから志すという人もいます。特別支援学校には障がいを持った児童生徒が通っていて、教員には柔軟さが求められます。また、児童生徒の障がいは知的障害だけではありません。視覚・聴覚などの身体障がいや、様々な障がいが重なった重複障がいの児童生徒もいます。こういった児童生徒に対応できるために役に立つ資格を紹介します。
参考記事:通信制大学で教員免許取得・教師になるための7つのステップ
特別支援学校教諭の教員免許
特別支援学校で働く場合、教員免許があれば、特別支援教諭の免許はなくても務めることができます。また、小学校の教員免許しかない教員が、高校生を担任することもあります。教員採用試験では特別支援教諭の免許を持っていないと受験資格がないというところは少ないです。ですが、多くの教育委員会は加点対象にしています。保護者の視点で考えた場合も、特別支援教諭の免許があったほうが信頼できます。本気で目指すならまず取りましょう。3年以上教員を務めると6単位取得するだけで2種免許が取得できるので、現在、取れる環境にない場合はまずは教員になるというのも一つの手です。
介護職員初任者研修
旧ホームヘルパー2級に当たる資格です。介護のプロとして、介護に必要な知識と技術を身に着けることができます。受験資格はないので高校生でも取得可能です。介護の範囲は高齢者だけでなく、もちろん障がい者も含まれます。障がいに関する知識も身に着けることができます。身体障害者のある児童生徒に着替えの介助をするときなどにもとても役立ちます。可能であれば、介護体験や特別支援学校での教育実習の前に取得するのがおすすめです。
介護福祉士実務者研修
旧ホームヘルパー1級に当たる資格です。これがあると看護師の指導の下での研修を行うことで、胃ろうや喀痰吸引ができます。特別支援学校の中でも、重度の障がいのある児童生徒の担任となった場合はこれを持っている必要があります。介護職員初任者研修を持っていなくても、取ること可能です。
看護師・介護福祉士
この二つは持っていれば理想的ですが、大学で教員免許を取得してそのまま教員を目指すとなると取得は現実的ではありません。この資格があれば、教員以外の立場で特別支援学校にかかわることも可能です。教員としてこの資格を持っていれば、とても信頼できる教員になれます。
保育士
大学生、専門学校生、および、短大卒以上の学歴であれば保育士試験を受験することで取得できます。発達障害の児童生徒の教育指導と幼児への保育指導には強い関連性があります。幼児を保育する能力を身に着けることで、特別支援学校の児童生徒へ始動する能力も高まります。また、保育士試験の勉強では、発達心理学や教育原理など教員採用試験の勉強と重なるところも多いので、保育士資格を持つことが教員採用試験の対策にもなります。